瀧会館(旧瀧文庫)の保存に向けた調査・活動 撮影日     03.4.12 = Home =

 瀧文庫(たきぶんこ)は、1915年(大正4年)から1927年(昭和2年)まで愛知県丹羽郡古知野町大字東野字河原(現・江南市東野町河原)に存在した私立図書館である。繊維商社の株式会社滝兵商店(現・タキヒヨー)によって運営された。1933年(昭和8年)には瀧文庫の蔵書が滝実業学校(現・滝中学校・高等学校)に引き継がれ、その後、瀧文庫の建物は地区の東野公民館の瀧会館(たきかいかん)として使用された。建物は現存しているが文化財指定はされていない。いま文化的価値の高い瀧会館は、経年劣化による老朽化が進んでいるため、その保存に向けた調査・活動が地道に行われています。

 本日、保存会の代表 舩橋紀公子氏・市議の古池勝英氏が中心となり、先進地のNPO法人愛岐トンネル群再生委員会村上真善理事長をお招きし、現地調査と共に保存に向けて色々とお知恵をお借りした。

 学校法人滝学園のホームページによると、株式会社滝兵商店(現・タキヒヨー)五代の滝信四郎は、大正4年、大正天皇即位記念事業として「青少年育成こそが地域社会への最大の奉仕である」という理念のもと、講演室を併設した私設図書館「瀧文庫」を愛知県丹羽郡東野村河原(現江南市東野町河原)に開設した。瀧文庫の建物は、滝家の旧宅を改築したもので、講演室、閲覧室、書庫、婦人閲覧室、事務室、応接、喫煙室により構成されていた。開館にあたり滝信四郎は自らの蔵書を中心に新たに図書を購入し、開館時には和漢洋書あわせて9300冊を有していた。のちに瀧文庫は、岩瀬文庫(現西尾市、岩瀬博物館)、矢田公衆図書館(現名古屋市西区、名古屋市立西図書館)とともに愛知県内の3大私立図書館と称されるようになる。

また、講演室は、地域住民のための教育会、青年会、軍人会、婦人会、消防組、仏教会、生産組合などの講演会、総会、展覧会に利用されるほか、図書館講演として名士を招いて大講演会が開かれた。
大正15年4月、瀧文庫の東600m程の位置に瀧実業学校が開校されると、瀧文庫は同校の附属文庫となり、昭和2年には学校の本館に図書室および閲覧室を設け蔵書の一部を仮に移した。昭和8年に学校敷地内に図書館が竣工すると、本館の蔵書および瀧文庫に残っていた蔵書が図書館に移動し、昭和13年までにほとんどの蔵書が図書館に移った。蔵書が瀧実業学校へ移されると、建物は地区公民館として使用されるようになり、名称も瀧会館となった。2000年代初頭まで公民館として使用され、建物は現存している。

この瀧会館(旧瀧文庫)は、「あいちのたてもの博物館」にも、取り上げられており、文化的価値の高い建造物であるとともに、中部地区の発展を担った瀧家の旧生家跡に現存していることが、とても価値あるものと高く評価されている。

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